平静で「さようなら」って言えるよう

「おれ、先週彼女とわかれたよ。」

「まじで？振られたの？」今さら考えると、悪かったと思うけど、そのときは冗談つもりで、言っちゃったのだ。

「そうとは言えないけど。」

「ショックだったよね…」

「いや、別に。前からわかってたから。三ヶ月前ごろからかな、予想したんだもん。でっ、わかれようって言われても、なんか、あっ、やっぱりそうだね、見たいな感じで…」

どうも平気な顔をしていたけど、その裏はいかに切ないのだろう？「さようなら」って言われても、平静で受け止められるのは、決して容易なことじゃない。

先日、友達とネットでチャットしたら、話はなぜかあのことの方にいっちゃった。最近、夜さびしくなる余裕はあまりないけど、不意に聞かれると、記憶の隅に埋めようとしたことはまた蘇って、心は再び空虚のように感じられた。遠くまで漂ってゆったはずの過去なのに。

おれも、いつか平静で「さようなら」って言えるよう…