わびしい夜

静かな夜の動悸、あまりにも喧しすぎる。人を狂わせるほどだ。絶えず寝返りをうつばかりで、寝られない。不意に君のことを思い出した…遥かの過去に振り返って、顧みる余裕さえない忙しい大学生活にはまったと思ったのに。

忘れたくないって言ったくせに、今さら忘れたい。いつまで居座るつもり？君のことを記憶から脱却したいもん。だって、この胸が痛くて、もうはやはじけるようだから。堪らない。が、残酷な現実に、忘れようとすればするほど、忘れられない。それが空しい人間の癖だ。

人生って、出会いと別れの連続だ。たまにただの知り合いから微妙な始まりへ、そして受け入れないほどの唐突な終わりへ。まだ憶えてる。君の言ったこと、僕の約束事、僕らのわがまま。

「何のその」って？ちがうっ！全ては空々しいような気がする。あの嘘・空約束・傷つけ合いに、少なからず気になる。いくら「大丈夫」って言っても。

恋の醍醐味を味わった上で、常にいずれしまいがやってくることに覚悟すること。でも、この世の中には、変わらないものがあるとすれば、それは僕の無力だ。現実から逃げようとして、顔を覆って、涙を飲み込む。だけど、一旦首をかしげると、またいやな思い出が湧いてくる。まだまだ切ない日々…

わびしい夜は延びてゆく…