誕生日の君へ

「お久しぶり！」

「うん、元気？」

いかに几帳面な挨拶。
そして、あの一瞬の躊躇。

視線をそらし、「うん」と。

変わったね。
染めた髪（「ずいぶん前染めたもん」）
伸びた背中（「あたし成長してるもん」）
それよりも、
あの違う雰囲気、
あの違和感。

確かに、久しぶり。
この前、
何通のメールも送ったが、
ぜんぜん音沙汰もない。
聞いたら、帰国してるそう。

まあ、いい。
どうせ俺はもはや君に願いを持つ立場じゃない。
「後戻りしよう」という願い、
「せめて友達にしてくれ」という願い。

それにしても、
「誕生日おめでとう。」

（平成20年1月5日）