秘めた思い

さわさんと食事をした。

いろいろ話してた。「授業にちゃんと出てる？」とか「バイトをやるつもり？」から、「東工大はきつい。だって女の子は少ないんだもん！」という話までに移った。もうセンターにいないけど、まだ僕らのことに感心しているよう。

「学科は違うけど、Aさんと会ってる？彼はおとなしいね。大丈夫かしら？」

「ハッハッ、おとなしい？ご心配なく。あいつは彼女もいるし。」言わないようにしたけど、彼は言ってしまった。

「あれ？彼女いるの？」びっくり顔をしてた。「○○さんと○○さんのことよく知ってるけどね。」

「で、君と○○さんは？けっこう親しいんじゃん？」いきなりこちらに訊いた。返事ができずに、言葉は途中にむせんじゃった。「あっ、いや。」気まずかった。

「そこまでいかなかったか？」僕の不安に気づいたよう。

平気。いくら平気ようにしても、結局苦笑しかできなかった。

否定してたんだ。でもなんで？いまさら気になる。君はわかってくれるだろう。もし君が訊かれたら、君もきっとそうじゃない？だって、あのことに対して、僕らの心の奥には同じ思いが秘めてる。